協力出版の流通

協力出版は書店流通型自費出版という呼ばれ方もされます。たいてい協力出版を行っている出版社では本が出版されたら書店に必ず流通すると勧めてきます。この点は協力出版という出版形態の大きな特徴でもあります。しかし書店に流通をするといわれたとしてもそれはただ各書店にただ置かれているだけだったという場合が多く、必ずしも売れるということを保証したものではありません。実際にこのようなトラブルから協力出版を行っている出版社が訴えられたという事例もあります。
協力出版で書籍を出版する場合は予め、売れるまで何年でも繰り返し出荷して陳列をしてくれるのか、半年までの陳列なのか、陳列後は書店の裁量に委ねるというものなのかなど、その会社の協力出版の流通の事情などを細かく確認しておく必要があります。
自費出版や協力出版での出版でベストセラーになることは本当に稀なことなのだということを認識しておきましょう。また、協力出版は悪質な業者が多く新聞広告などで原稿募集をして著者から高額の費用を巻き上げるというケースも少なくありません。今は協力出版という名前を使わないで、協同出版、流通出版と名乗ったり、また事実上協力出版の出版法をとりながらも自費出版と名乗っている業者も多いので非常に分かりづらくなっています。電話などで出版を持ちかけられた際、契約を交わす際にちゃんと話を聞いて、その出版形態が協力出版なのか何なのかを見極めましょう。すべての協力出版を行う会社が悪質というわけではありません。もちろん良心的な協力出版も存在しています。


協力出版の販促

協力出版とは著者と出版社が負担額を互いに折半して出版をするというものですが、実際は著者が初版本の制作にかかる費用を実質全額負担することになります。また協力出版の場合、販売促進や宣伝活動自体を出版社がする代わりに費用は著者が負担することになります。つまり名前は違えど支払う金額面において協力出版と自費出版は同じなのです。
悪質な協力出版の場合最初の契約時にそのような説明を曖昧にして、著者に出版社側が有利になる契約を結ばせます。
結果的に宣伝や販促にかけるべき費用の相場を知らない著者は、利益につながることのない宣伝費用を余計に負担することになります。
また協力出版からの出版を持ちかけられるということは、基本的に出版社は作品に対して期待をしていません。事実協力出版や自費出版などの形態で出版された書籍自体がなかなか売れません。売れる見込みのない自費出版の書籍、ましてや商業出版ではない共同や自費での出版形態の書籍を書店側だっていつまでも並べておきたくはありません。
悪質な協力出版を行っている出版社はそれこそ出版社とも呼ぶのも忍びないような業者がほとんどですが、広く名が知れた出版社でも協力出版を行っている会社はあります。有名な会社の協力出版でも悪徳な契約を迫りトラブルを起こしたという事例もあります。
今は協力出版という名前を隠している会社も多いです。出版社から協力出版を持ちかけられた際はしっかりと契約内容の確認をしてください。


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